出てしまってから拾うのではなく、出さない。
人工芝から出るマイクロプラスチックには、出どころが2つあります。
ひとつは足元に敷き詰める充填剤、もうひとつは芝糸そのものです。
私たちは、その両方を入口で塞ぐことを対策の中心に置いています。
ゴムチップを使わない
人工芝のマイクロプラスチックとして長く問題にされてきたのが、充填剤に使われる廃タイヤ由来のゴムチップです。粒が細かく軽いため、風や雨で敷地の外へ出ていきます。人工芝由来の流出量として、まず名前が挙がるのはここです。
私たちは創業以来、一度もゴムチップを使っていません。サッカー場のような大規模な現場でもです。使うのは、SDチップに代表される天然素材の充填剤だけです。
飛散を抑える工夫を足すのではなく、最初から使わない。
出どころがなければ、流出のしようがありません。
抜けにくい芝を選ぶ
もうひとつの出どころが芝糸です。ここで私たちが軸に置いているのは、「抜けたあとどうするか」ではなく「そもそも抜けにくくする」という考え方です。
芝糸が基布からどれだけ抜けにくいかは、パイル糸引抜強さ(タフトロック)という数値で測れます。私たちが扱う芝は40N以上。1本の束を引き抜くのに、およそ4kgぶんの力が必要になる強さです。この数値は第三者試験機関の試験で確認しています。
拾う仕組みをいくら整えても、抜け続ける芝を敷けば追いつきません。
順番として、まず抜けにくくする。
使い終わったあとで詰まらせない
役目を終えた人工芝は、これまで埋め立てられるか焼却されるしかありませんでした。埋め立てられた芝は、そこで劣化を続けます。
私たちは、使用済みの人工芝を回収し、水素化して燃料資源へ変える仕組みを整えています。敷いて終わりにしないことが、長い目で見た流出対策になります。
ひとつ、正直に書いておきます
「植物由来の素材だから、流出しても自然に還る」——これは正しくありません。サトウキビや赤松に由来するバイオマス素材でつくったポリマーも、自然界での分解性は石油由来のものと変わらないからです。
だから私たちは、素材の由来をマイクロプラスチック対策の答えにはしていません。出さない設計と、回収する仕組み。この2つで向き合っています。