危険回避!ペットが人工芝を食べるリスクを防ぐ2つのチェックポイント
「うちのワンちゃんが散歩中に、急に嘔吐しちゃって、、、」
愛犬が人工芝を間違えて食べてしまうリスクはペットオーナーにとって心配のタネですよね。ここではペットに人工芝を誤飲させないために、購入前に絶対にチェックしなければいけない2つのチェックポイントついて解説します。
愛犬が人工芝を食べた際に起きうる最悪のケースについて、以下のような問題が考えられます。
1. 腸閉塞
人工芝の素材が腸内で詰まることにより、消化物の通過が妨げられる状態
症状: 嘔吐、食欲不振、腹痛、便秘または下痢、元気がない
リスク: 腸閉塞は緊急手術が必要な場合が多く、手遅れになると命に関わる可能性があります
2. 消化不良
人工芝の素材が消化されないため、胃や腸に異常をきたす状態
症状: 嘔吐、下痢、食欲不振、腹痛
リスク: 消化不良が続くと、脱水症状や栄養失調を引き起こし、慢性的な健康問題に繋がることがあります。
3. 化学物質中毒
人工芝に含まれる有害な化学物質が体内に取り込まれることによる中毒。
症状: 嘔吐、下痢、震え、けいれん、呼吸困難、意識障害。
リスク: 特に有害物質が含まれている場合、中毒症状が現れ、緊急の医療処置が必要となることがあります。
こうしたリスクを回避するためにも、抜けにくい人工芝を選ぶことが重要です。
ここで、多くの方がしてしまうよくある勘違いとして「高密度=抜けにくい」という誤解があります。
そのような説明を行う業者が多くいることが原因で、この誤解が生まれていますが、実は密度が低くても、抜けにくい人工芝があります。
実際にサッカー場などに使われるFIFA公認の人工芝は密度がなくスカスカですが、高密度な人工芝より4倍以上抜けにくいというデータもあります。
では、実際に私たちペットオーナーは人工芝のどこをチェックしないといけないのでしょうか?
結論としては、この2つをチェックしましょう。
1.タフトロック(引き抜き強度)
2.コーティングの種類(裏面)
タフトロックとは芝糸がどれだけ強く基布に固定されているかを示す指標で、N(ニュートン)という単位で表されます。下のような特殊な検査機械で芝の糸を上に引っ張り、どのくらいの力で壊れる(耐えれる)かを検査します。
一か所だけではなく、同じ芝を位置を変えて何度(10か所以上)も引っ張り、平均値がその芝の強度として認められます。
・40N以上:サッカーやラグビーの公式認定基準が40N。この数字より高いと非常に抜けにくく、ペットにも安心。
・15N~20N:家庭(ガーデニング)人工芝として十分な強度
・10N以下:楽天Amazonやホームセンターで販売されている人工芝の多くが該当。抜けやすく、ペットが食べるリスクが高い。
たとえば、ガーデニングの本場イギリスeasigrassのペット専用「イージーペット」は35Nと従来の2~3倍の強度があるのに対して、国産メーカーI社の人工芝は9.5Nとその1/3の強度しかありません。
タフトロック(強度)は見た目ではわからないので、必ず販売業者にチェックするようにしてください。
タフトロック(引抜強度)が弱いと、3か月~半年で人工芝が抜けてしまう
これはホームセンターで購入した芝を半年実際につかった結果です
こうした強度が弱い芝は、通常利用でも抜けやすく、さらにワンチャンが抜けた部分が気になって、引っ掻いたり、噛んだりして、さらに抜けてくる、という悪循環に陥ってしまいます。
タフトロックは最低30N以上の人工芝を購入しましょう。
次にコーティングの材料です。タフトロックが強い人工芝を選んだとしても、長期間使用するうちに強度が劣化することがあります。特に、ゴム(SBR)コーティングが施された人工芝は要注意です。ゴムは水を含みやすく、時間と共に接着が弱くなるため、強度が低下してしまいます。
強度の劣化を防ぐためには、吸水しないコーティング材を選びましょう。具体的には、ポリウレタンやポリエチレン製のコーティングが優れています。これらの素材は水を吸わないため、長期間にわたり強度を保ち、安心して使用できます。
タフトロックとコーティング材料については、人工芝を購入する際に必ず業者や販売店に確認しましょう。これらの情報をスパッと回答できない場合、その業者は専門業者ではないか、上質な人工芝を扱っていない可能性があります。
ペットがいる家庭で人工芝を選ぶ際には、高密度だけでなく、タフトロック(引き抜き強度)とコーティング材料の2点に注目しましょう。目安としては15N~20N以上、可能であれば40N以上のタフトロックを選び、コーティングはポリウレタンかポリエチレン製のものを選ぶと安心です。このガイドを参考に、ペットが安全に過ごせる人工芝を選んでくださいね。